都市基盤整備事業推進大会
平成23年度 都市基盤整備事業推進大会
大会決議
都市再開発促進協議会代表
三重県伊賀市 内保博仁市長
みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました、三重県伊賀市の市長の内保でございます。大変お忙しい、お疲れのところをもう少しお時間をご辛抱いただきたいと思います。
いよいよ本大会も決議をいただくことになりました。そこで、その前に私ども伊賀市の取り組んでおります状況につきまして、ご紹介申し上げて皆さん方にご意見を賜りたい。このように考えさせていただいております。
まず始めに、先程からもお話いただいておりますが、東日本の大震災を始め、本年度の度重なる台風等によりまして被害をお受けになられました皆さんにお見舞いを申し上げますと共に、一日も早い復興をお祈り申し上げるものであります。
それでは私ども伊賀市の概況と再開発事業の取り組みにつきまして、少しご説明を申し上げたいと存じます。
本市は三重県の北西部に位置をいたしておりまして、北は滋賀県、西は京都府、奈良県に隣接しておりまして、近畿圏、中部圏の2大都市圏のほぼ中間に位置をいたしておる地方の都市でございます。平成16年11月1日に旧上野市と周辺の5町村が合併をいたしまして、人口10万人、面積で558平方キロメートルという市として誕生いたしたところでございます。
合併とほぼ同時に施行いたしました「伊賀市自治基本条例」を市の最高規範といたしまして、市民、行政をはじめとするすべての主体がともに自治の精神を持ち、市の将来像として掲げております「ひとが輝く、地域が輝く~住み良さが実感できる自立と共生のまち~」ということで市政を進めさせていただいておるところでございます。
また本市は、伊賀流の忍者発祥の地、更に俳聖松尾芭蕉の生誕の地として全国的に知られておるところでございます。
市の中心市街地は、築城の名手として全国的に名高い藤堂高虎公の手によりまして、伊賀上野城を中心にまちづくりがなされております。およそ400年を経過いたしました現在も、当時のまちの様子が残されておるところでございまして、小京都のひとつとして数えられておるところでございます。
さて本市におきます都市基盤整備でございますが、只今申し上げました中心市街地の玄関口となります伊賀鉄道の上野市駅前地区におけます再開発事業を、市のプロジェクトの大きなひとつの政策として位置づけをさせていただいております。
この上野市駅前地区の第一種市街地再開発事業は、施行面積約1.1haの区域に駅前広場、さらに都市計画道路、そして再開発ビルを整備する計画でございます。再開発ビルは「ハイトピア伊賀」と申しますが、現在建築工事中でございまして、来春のオープンの予定をいたしており、事業全体といたしましても平成24年度の完成を目指して取り組んでおるところでございます。私どもの再開発は、地方都市の身の丈に合った大変コンパクトな内容となっておるところでございます。
豊かで安全な市街地を形成するための都市基盤整備は、今後地方が発展していく上で最も重要かつ基礎的条件であり、地方都市におけます喫緊の課題と考えております。
今回の東日本大震災では被災地への支援活動といたしまして、本市からも宮城県多賀城市さん、そして石巻市さんへ職員を派遣させていただいており、また三重県内におきましても台風12号により被災された市町さんに応援をいたしておるところでございます。
私自身も多賀城市さん、或いは石巻市さんに訪問をさせていただきまして、現地でお出会いした方々とお話をさせていただきましたり、或いは派遣職員からの報告を聞いたりいたす中で、都市基盤整備による災害に強いまちづくりの重要性を改めて強く認識をいたしておるところでございます。
本市を含めまして、地方においては急を要する都市基盤整備がまだまだ残されておりますが、私ども地方自治体を取り巻く環境は依然として大変厳しいものが続いております。
各自治体におきましては、厳しい社会情勢の中で様々な分野で住民のニーズに応えながら健全な財政運営を図っていく必要がございます。とりわけ都市基盤整備事業などの大型事業においては安定した財源確保が不可欠でございます。どうかこうした実情をご賢察いただきまして、今後も地方における都市基盤整備が円滑に推進できますよう、本日お集まりの皆様方の引き続きましてのご支援、御理解を心からお願い申し上げる次第でございます。
以上、簡単ではございますが再開発代表の発表とさせていただきます。
それではこのような思いを込めまして大変僭越ではございますが、本大会にご参加の皆様方を代表させていただきまして、私の方から大会決議文を読ませていただきまして、提案とさせていただきます。
都市基盤施設の整備促進に関する決議
都市基盤施設は、都市における円滑な交通を確保し、豊かで良好な市街地の形成を図るとともに、安全で快適な都市生活と機能的な都市活動を支える、最も重要な施設である。
このたびの東日本大震災では、被災地への救援活動や救援物資輸送を可能とし迅速な復旧・復興に資する道路ネットワークなどの重要性が改めて認識された。
経済の低迷が続き、少子高齢化が進むなか、活力ある社会の構築と安全で安心な都市づくりを推進し、日本の活路を開き将来の発展につながるよう、街路、区画整理、再開発及び連続立体交差事業による都市基盤施設の整備をより一層推進していくことが必要である。
全国には整備を要する都市基盤施設が未だ数多く残されており、国民からも整備に対する強い期待が寄せられているが、政府は平成二十四年度の予算編成において、公共事業費を一割削減する方針を示しており、都市基盤施設の整備に必要な予算の確保は不透明な状況にある。
今後の都市基盤施設の整備にあたっては、街路事業や市街地整備事業の推進がより一層強力に図られるよう、次の事項について特段の配慮を強く要望する。
一、 平成二十四年度予算については、地域に必要な都市基盤整備が安定的に実施されるよう必要な額を確保すること。
一、 社会資本整備総合交付金については、全国で必要な都市基盤整備が計画的かつ着実に推進できるよう必要な額を確保すること。
また、地域自主戦略交付金としての一括交付金化に際しては、都市基盤施設の整備促進に資するものとし、客観的指標による配分については、地域ごとの社会資本整備や財政基盤の状況を十分考慮すること。
一、 都市における喫緊の課題である交通渋滞解消を推進し、日本経済の高コスト構造の是正や環境改善を図るとともに、災害時の広域的な救援・支援活動等を支えるため、幹線道路ネットワークの整備をはじめとする街路事業や連続立体交差事業を積極的に推進すること。
一、 災害に強いまちづくりや良好な居住環境を実現するため、高い整備効果が期待される土地区画整理事業及び市街地再開発事業をより一層促進すること。
右、決議する。
平成二十三年十一月十日 都市基盤整備事業推進大会