都市基盤整備事業推進大会

平成24年度 都市基盤整備事業推進大会

大会決議

都市再開発促進協議会代表

新潟県上越市長 村山 秀幸

只今、ご紹介をいただきました新潟県上越市の村山でございます。本大会の決議につきましてご提案を申し上げる大役を仰せつかりましたことに心から感謝申し上げます。
大変恐縮でございますが、決議の提案に入る前に若干お時間をいただき、上越市のご紹介と、本市の都市基盤整備の一大プロジェクトでございます北陸新幹線開業に向けた取り組みについてご紹介をさせていただきます。

上越市は新潟県の南西部に位置し、雄大な日本海と豊穣な大地、四季折々の美しい山々に抱かれた自然豊かな歴史文化あるれる都市であります。
昭和46年に、城下町の旧高田市と港町の旧直江津市の合併により上越市が誕生いたしました。平成17年には、全国最多の14市町村で合併し現在の上越市が誕生いたしました。面積は東京都のほぼ半分の973平方キロメートルで、人口は約21万人であります。

本市は、戦国時代の名将上杉謙信公が生涯を過ごした越後の中心地であり、居城の春日山城跡をはじめ謙信公ゆかりの名所、旧跡を数多く有しております。戦国時代にあって、義を重んじた上杉謙信公は、平成19年のNHK大河ドラマ「風林火山」や平成21年の「天地人」でも大きく注目されたところであります。
本市は、四季折々に魅力ある自然がまちを彩ります。中でも春は、まち中に桜が咲き誇り、日本三大夜桜の一つに数えられる「高田城百万人観桜会」には、全国から百万人を超える方々にお越しいただいております。
また、冬は、まちには白銀の世界が広がります。本市の金谷山は、明治時代にオーストリア・ハンガリー帝国の軍人レルヒ少佐によって日本に初めて近代スキー術が伝えられた「日本スキー発祥の地」であります。
紺碧の日本海、四季折々に美しい山々、そして肥沃な高田平野など越後の豊かな自然は、多彩な食の恵みをもたらしてくれます。
雪国の清らかな雪解け水で育まれた上越産コシヒカリや、日本海の新鮮な魚介類は豊富です。 また、市内には、日本酒の蔵元が13を数え、国産ぶどう品種によるわが国初のワインの醸造元「岩の原葡萄園」もあり、酒どころ越後の魅力を堪能いただくことができます。
本市は、北陸・信越地域の主要都市や、首都圏・関西・中京方面を結ぶ鉄道や高速道路のネットワークの結節点に位置するとともに、佐渡島への航路を有しており、陸・海の交通ネットワークの結節点のまちであります。
現在、東京からは、上越新幹線と特急を乗り継いで約2時間の立地にありますが、平成27年春の北陸新幹線「長野・金沢間」の開業により、首都圏とは乗換なしで直結し、関西・北陸・長野方面との移動時間が大幅に短縮されます。
これにより、本市の地理的優位性や拠点性が一層充実することを期待しているところであります。
本市では、北陸新幹線の開業という絶好のチャンスを十分に生かしていくため、官民が連携し、ハード・ソフトの両面から全市を挙げた取組を精力的に進めているところであります。
北陸新幹線の(仮称)上越駅は、中心市街地の高田地区から約4キロ南に建設されます。新駅周辺は、広域的な交通結節点となることから、本市では、広域の玄関口にふさわしい整備を行うため、土地区画整理事業のほか、駅周辺の公共空間やアクセス道路の整備などを進めております。
また、新幹線新駅が現在の在来線駅と離れて設置されるため、信越本線の約1.8キロメートル区間を新駅西側に移設し、新幹線と在来線の乗換えの円滑化や、有効な土地利用を図ることとしております。
なお、これらの事業は、平成19年度から「都市再生整備計画事業」として実施しているところであります。
新駅周辺約28.5ヘクタールを事業区域とする土地区画整理事業は、平成17年3月に市施行事業として認可を受け、平成30年度までの事業期間となっております。
新駅周辺では、東西駅前広場や、駅の東西を結ぶ自由通路、本市の新たなランドマークとなる東西昇降施設など、広域の玄関口にふさわしい質の高い都市空間の整備を進めております。
新幹線開業を契機としたまちづくりのソフト事業は、「新幹線まちづくり推進上越広域連携会議」で取組を進めております。 連携会議は、文字通り、官民が分野横断的に連携し、開業効果を享受するための取組を推進する組織であり、PR事業や開業効果をいかす仕組みづくりを進めております。

以上のように本市では、北陸新幹線の開業効果を最大限にいかしていくため、ハード・ソフトの両面から官民一体となってまちづくりに取り組んでいるところであります。
北陸新幹線などの国家プロジェクトは、各自治体のまちづくりに大きなインパクトを与えるものであり、着実な事業の推進と、その事業実施を図る自治体への都市基盤整備に対する積極的なご支援が不可欠であります。
本日お集まりの皆様方からの引き続きのご支援、ご協力を心からお願い申し上げ、大変僭越ではございますが、本大会にご参加の皆様を代表いたしまして、私から決議文を読み上げさせていただきます。

都市基盤施設の整備促進に関する決議

都市基盤施設は、都市における円滑な交通を確保し、豊かで良好な市街地の形成を図るとともに、安全で快適な都市生活と機能的な都市活動を支える、最も重要な施設である。
昨年の東日本大震災では、被災地への救援活動や救援物資輸送を可能とし迅速な復旧・復興に資する道路ネットワークなどの重要性が改めて認識された。
経済の低迷が続き、少子高齢化が進むなか、活力ある社会の構築と安全で安心な都市づくりを推進し、日本の活路を開き将来の発展につながるよう、街路、区画整理、再開発及び連続立体交差事業による都市基盤施設の整備をより一層推進していくことが必要である。
全国には整備を要する都市基盤施設が未だ数多く残されており、国民からも整備に対する強い期待が寄せられているが、平成二十四年度当初予算は、必要な額が確保されず、事業の進捗に支障を来す箇所も出てきている。また、平成二十五年度の予算編成において、都市基盤施設の整備に必要な予算の確保は不透明な状況にある。
今後の都市基盤施設の整備にあたっては、街路事業や市街地整備事業の推進がより一層強力に図られるよう、次の事項について特段の配慮を強く要望する。

一、平成二十五年度予算については、地域に必要な都市基盤整備が安定的に実施されるよう必要な額を確保すること。

一、社会資本整備総合交付金については、全国で必要な都市基盤整備が計画的かつ着実に推進できるよう必要な額を確保すること。
その上で、地域自主戦略交付金について、必要な額を確保し、配分については、地域ごとの社会資本整備や財政基盤の状況を十分考慮すること。

一、平成二十四年度までの時限措置である地方道路整備臨時貸付金については、平成二十五年度以降も継続するよう措置すること。

一、都市における喫緊の課題である交通渋滞解消を推進し、日本経済の高コスト構造の是正や環境改善を図るとともに、災害時の広域的な救援・支援活動等を支えるため、幹線道路ネットワークの整備をはじめとする街路事業や連続立体交差事業を積極的に推進すること。

一、災害に強いまちづくりや良好な居住環境を実現するため、高い整備効果が期待される土地区画整理事業及び市街地再開発事業をより一層促進すること。

一、特に、民間事業者との協定等により実施している連続立体交差事業や組合施行の市街地整備事業については、民間投資に悪影響のないように必要な額を確実に確保すること。

右、決議する。

平成二十四年十一月五日  都市基盤整備事業推進大会

村山 秀幸 上越市長による大会決議文の朗読

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