都市基盤整備事業推進大会
令和元年度 都市基盤整備事業推進大会
意見発表者
全国連続立体交差事業促進協議会代表 埼玉県春日部市長 石川 良三
意見発表
全国街路事業促進協議会代表
みなさまこんにちは。静岡県沼津市長をおおせつかっております賴重秀一でございます。
それでは、沼津市における取組についてご説明させていただきます。
現在、沼津市では、都市構造のコンパクト化や、人中心の都市拠点づくり、既存ストックの活用など、ハード・ソフト様々な取り組みを組み合わせた、戦略的なまちづくりを3つの柱を軸として実施しております。
1つ目の「コンパクトな都市構造」では、現在、国・県と連携し進めています骨格的幹線道路整備です。南北都市軸では、沼津駅の「連続立体交差事業」ですが、区画整理事業と連携した拠点整備等により、市の南北分断や交通渋滞の解消に繋げるものです。次に、東西都市軸では、「東駿河湾環状道路の西区間」ですが、国道1号の交通環境改善や、本市西部地域発展への寄与が期待されることから、近隣市町や関係機関と協力し、国に対し力強く働き掛けを続けています。
また、都市計画道路沼津南一色線は、東名・新東名と中心市街地を結ぶ幹線道路で、南北都市軸を構成する最も重要な路線です。建設予定敷地内で発見された高尾山古墳は、築造が西暦230年頃、埋葬が西暦250年頃であり、東日本最古級かつ最大級の前方後方墳であることが明らかになりました。道路建設と古墳保存の両立を図るため関係機関と協議を行い、トンネル形式と橋梁形式を組み合わせた形により整備することとしました。
重要な幹線道路の整備と歴史的に価値の高い古墳の保存を両立するという難題をクリアし、橋梁・トンネルを対象としたコンペでは、全国初の実施となります。先月20日に一次評価を行い、応募者数7件のうち4件を選定いたしました。3月上旬には最優秀提案者の決定・発表となっています。
次に、2つ目の柱として、連続立体交差事業を契機とした人中心の空間形成についてですが、現在、沼津駅周辺において、本市の中核的事業である「沼津駅周辺総合整備事業」を実施しております。
沼津駅周辺をヒト中心の空間に再編するために、沼津駅周辺総合整備事業と併せて取り組むべき施策の方向性として、4つの戦略を掲げます。その1つの戦略が「ヒト中心の公共空間の創出」です。
将来は、沼津駅周辺総合整備事業により、駅と隣接街区を囲む環状の幹線街路ネットワークが形成されます。こうした基盤整備を契機に、環状街路の内側がヒト中心の市街地となるよう、公共空間の再編とこれを実現するための交通体系の再編を図っていきます。
現在の自動車交通処理に主眼を置いた交通広場から、歩行者を主軸としたヒトが集い、憩える広場に再編を図るものです。
最後に、3つ目の柱の「地域資源の活用による魅力向上」として、街路に関する社会実験2例、紹介させていただきます。1例目は、「歩行空間化社会実験」です。本実験におきましては、道路を通行止めにするとともに、店舗など沿道の方々と一緒に様々な使い方を試みたもので、市民の方々にも好評でありました。本年度も場所を変えて本日から24日までの4日間、「歩行空間化」する社会実験を実施します。
2例目は、「EVバスの試験運行」です。昨年の10月の約1か月間、年間約166万人の観光客が訪れる「沼津港」と「沼津駅」の連携を強化するため、「EVバスの試験運行」を実施しました。試験運行における検証結果を踏まえ、今年度から民間バス会社によりEVバスが本市で本格的に導入されることになりました。
今後も「誇り高い、元気なまち沼津」の実現に向けて、市民の方々とコミュニケーションを重ねながら、「沼津のまちづくり」に取り組んでまいります。
賴重秀一 静岡県沼津市長による意見発表
全国連続立体交差事業促進協議会代表
埼玉県春日部市長 石川 良三
皆様、こんにちは。埼玉県春日部市長の石川でございます。
それでは、春日部市の発表を進めさせていただきます。
埼玉県東部に位置する春日部市は、人口約23万人の特例市でございます。都心から35キロメートル圏内にあり交通の便にも恵まれ、東京のベットタウンとして発展してまいりました。鉄道については、東武伊勢崎線、東武野田線の2線が交差し、赤色で着色した春日部駅周辺において連続立体交差事業が実施されております。道路においても、国道4号、国道16号という主要な国道が交差し、市内東部では、地域高規格道路「東埼玉道路」の整備が進められております。
また、市内には台風19号で話題となった「首都圏外郭放水路」がございます。世界最大級の地下河川であり、首都圏の洪水調整に活躍しております。市内でも企業立地など様々なストック効果がございますが、近年は映画のロケ地利用や官民連携によるインフラツーリズムなど、観光の面においても活用が進んでおります。
次に、春日部市の歴史、文化についてご紹介したいと存じます。まず、春日部といえば、クレヨンしんちゃんを思い浮かべる方が多いかと思います。市では、「まちの案内人」として、市の魅力を伝えるための広報活動に活躍いただいております。
また、別の一面として、歴史・文化が今も息づいているまちでございます。春日部駅周辺は、古くは日光街道の宿場町として栄え、桐たんす等の特産品がございます。郷土に愛着と誇りを持つ市民が年間を通じて様々なイベントを開催し、地域を盛り上げております。本日ご参加の皆様も是非お越しください。
それでは、春日部駅付近連続立体交差事業の概要説明に移らさせていただきます。写真にありますとおり、春日部市の中心市街地にある踏切は、ピーク時には1時間あたり56分も遮断している「開かずの踏切」が存在し、街を分断しております。この開かずの踏切を含む計10か所の踏切を除却し、都市交通の円滑化を図る事業でございます。赤い線で示した約2.9キロの区間において鉄道の高架化を実施いたします。今年3月に都市計画が決定され、現在、用地測量が進められているところでございます。
また、東武野田線のホーム増強も計画されております。乗り換えの利便性が向上し、ターミナル駅としての拠点性が高まるとともに、列車の追い越しが可能となり、輸送力が向上するため、沿線地域の発展に大きく寄与するものと考えられます。
併せて、本市では、事業効果を最大限に発揮するため、連続立体交差事業と一体となった、中心市街地のまちづくりを進めてまいります。春日部駅周辺に人が滞在し、回遊できる空間整備を目指し、周辺道路整備や駅前再開発を支援をしております。春日部市の悲願である本事業を1日でも早く完成させるため、市民と共に一丸となって取り組んでまいります。
説明は以上でございます。ご清聴ありがとうございました。
石川良三 埼玉県春日部市長による意見発表
都市再開発促進協議会代表
兵庫県神戸市長 久元 喜造
ご紹介いただきました神戸市長の久元喜造でございます。
神戸は、海と山、街並み、田園という多様な魅力がコンパクトに詰まった人口約152万人の都市です。
都心の再生というのは大変重要で、これから目指すべき神戸の都心像として「神戸の未来の姿」を策定しました。また、神戸の都心の中心にあるのが三宮で、市民、事業者、行政が協働で再整備に取り組むための「再整備基本構想」を策定しました。
過去三宮は震災で大変大きな被害を受けました。
国土交通省のご支援で、復興してきましたけども、残された問題がいくつかあります。
東西方向の通過交通が大変多いことや、6つの鉄道駅の乗り換え、あるいは駅からまちに出ていくのが非常に不便であるということです。これを解決するため、核となる取組として駅前の道路を人と公共交通優先の空間にする「三宮クロススクエア」の整備を進めています。
もう一つは中・長距離バスの停留所が散在しているということです。
これを解決するために、西日本で最大級の中・長距離バスターミナルを1期2期に分けて、整備していきたいと思っております。
再整備ビルには、ホールや図書館、オフィス、ホテルなどの賑わい機能の整備も行う予定です。
これにつきましては市街地再開発事業で実施することとし、すでに再開発会社を設立しています。来年3月には都市計画決定を行う予定です。
事業を実施していくためには、再開発事業予算の確保が不可欠でありまして、赤羽国土交通大臣をはじめ、国交省の皆様方、国会議員の先生方のご支援をお願い申し上げまして私の発表とさせていただきます。ありがとうございました。
久元喜造 兵庫県神戸市長による意見発表